今回はレース情報をお送りします。

今、世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっています。

イベントの自粛、レースの中止、学校休業、部活動禁止、トレーニングジムの閉鎖・・・普段できていたことができなくなっています。こうした状況になると、日頃の「当たり前」がいかに幸せで、かけがえのないものかと思い知らされます。普通の状態に感謝です。こんなときこそ、自分と向き合いできることをコツコツやるしかない、と感じながら生活しています。僕は狂ったようにトレーニングしていますが、、、、

さて、久しぶりの投稿ですが、今回は2019年8月に遠征した、PICaPICA(ピカピカ)についてお話いたします。もうずいぶん昔の話のようですが、かなりインパクトのあるレースで、いろいろなことを鮮明に覚えています。僕にとっては今までで、コース難易度は一番だったかな。そして、現地の方々の温かさはどこのレースとも変わらない最高のものでした。

場所はフランス南部。トゥールーズから南に車で1時間半のところにあるオザという街がメイン会場で、ピレネー山脈の中央のあたりです。今回僕がこのレースに出場した最大の理由は、フランスの友人である、ナウエル・パサラからの招待でした。彼はこの地域に住み、レースのディレクターを務めています。実は彼とは2016年にアンドラ公国でのアンドラウルトラトレイル・ロンダデルシムという170㎞のレースで150㎞地点から一緒に走った仲間であり、もう極限を迎えている150㎞地点、山の中で会えば、一瞬で心通じます。僕がふらふらしていると、後ろからお尻を支えてくれたり、ちょっと道を間違えそうになると誘導してくれたり、一緒にゴールを目指す仲間っていう感じで、とてもナイスガイでした。結局彼にラスト10㎞弱で40分も差をつけられ、ナウエルが優勝して、僕が準優勝だったわけだけど、ゴールではビールを持って僕を待っていてくれたとてもいいやつ。でも僕はもう2009年からのなが~い禁酒生活に入っていたので、飲めなくてゴメン!という感じでしたが、それでも楽しくやらせていただきました。その後も連絡を取り合いながら、2018年にすごいレースやるから来て!と言われていたんだけれど、でもその年は教員をしていて、夏のインターハイとかあり、どうしても動くことができませんでした。2019年、同じように誘いが来ました。教員を辞めて、夏の部活動がなくなり、時間的な余裕ができた僕は即OKという返事をし、ついに念願かなってナウエルのレースに行くことができたわけなのです。

2016 Andorra ultra trail
© Sho Fujimaki

このレース、コースプロフィールから紹介すると、距離109㎞、累積獲得標高11500m、制限時間52時間。距離が109㎞しかないのに52時間。UTMB(モンブランの周りを一周する人気レース)は170㎞で制限時間46時間30分。コースが難しいことを意味しています。僕は2009年から3年間はUTMBに出場したけど、その後は主に険しい山のレースを選んでいます。平らなコースより、ギザギザで走りにくいコースのほうが得意らしい。これはもともと山岳部出身ということが関係しているのか。またはモーグル競技を10年ちょっとやっていて不整地を高速で落ちることに慣れているのか。とにかくテクニカルなコースが好きで、ここのモンカルムの山々は僕にピッタリな、超テクニカルという噂でした。しかもピレネーは2012年のGrand Raid des Pyreneesで優勝している相性のいい山域でありました。しかし一つだけ不安要素が。開催時期は日本のお盆休み。うちの家族はいつもお盆明けにディズニーランドに行くのだけど、その前までに帰宅できればいいよと家族からは遠征の許可を得ることができていたが、フライトの関係で、家族イベントの前日の帰国になることが判明しました。うわぁ、フライトのトラブルは許されないぞ!レースよりそっちのほうがかなり心配でした。

最高標高は3143m。途中アンドラ公国にも入り、ロンダデルシムのコースも一部フォローします。ギザギザが目立ちます。最初と中盤と終盤に合計3本の1500mUPの急な長い登りが待ち構えております。ナウエルにレース名、「ピカピカ」とは何かを聞きました。【PIC=山頂】から取って、コース上には山頂、山頂、山頂みたいな感じで、Pic a pic →語呂的にピカピカが言い易いとのことで、PICaPICAになったらしいです。

コースレイアウトはこんな感じで、北側のオザ(AUZAT)を時計回りにスタートしてスルサン(SOULCEM)池まで行き、そこからまた時計回りにぐるっと回り、2度目のスルサンに戻り、残りの東側を回りオザに戻ります。この終盤部分がモンカルム(MONTCALM)といってこのレースの名前にもなっており、3000m級の山々が連なりとても激しい部分です。

©Sho Fujimaki

次回の投稿は、レースを走ってみての感想などを掲載いたします。ギザギザ、ガラガラ、ウワー!、ヤベー、

つづく・・・・

yamamoto