色んな山に行っているのに、何故か1年に1回か少なくとも2年に1回は吸い寄せられるように訪れる山。そういう山って自分に引っかかる何かがあるんですよね。

僕にとって北アルプスの焼岳がそういう山。
ということで今回は僕が雪山で一番登っている山、焼岳を紹介したいと思います。
上高地の入口に鎮座する焼岳。大正池から見上げる山容は、綺麗な成層火山の形をしています。
周りの穂高連峰や槍ヶ岳と比べると一見穏やかな印象ですが、実はピリッとした刺激を内包している山でもあるんです。

最初に登ったのはもう15年ほど前。大正池から焼岳方面に少し入ったところにテント張って登っては滑り、尾根を変えて登っては滑りながら山の全容を覚えていきました。

その内、安房峠への旧道の途中にある中ノ湯温泉旅館の裏からも登るように。
静かな樹林帯を2時間ほど登るといきなり視界が開け、双耳峰がど~んと。
左の南峰稜線まで登り上げると、

眼下に夏は水をたたえるお釜とその向こうに北峰(手前右)と百名山笠ヶ岳。

そしてお釜の中へドロップイン!
たった2、3ターンだけの短い斜面だけど、いい斜度とロケーションの良さで条件が整えば外せない場所です。

お釜の中は静寂な別世界。
活火山である焼岳を象徴する火山ガス。その噴出口あたりに向けての登り返しは意外と近くて15分くらい。

北峰と南峰のコルまで登り返すと、反対の大正池に向かって今度はデッカイ斜面をロングターン(のつもり)で。
写真中央の米粒が滑り手。
そのまま両岸が崖で切り立つ深い沢、下堀沢へ潜り込んでいくのです。

標高差約1000mのダウンヒルを終えると、帰りは上高地の玄関口、釜トンネルをヘッドライト着けて歩くのですが、これが意外につんのめりそうな急坂でツラい。スノーボードブーツならまだしも、スキーブーツの人は疲れた身体にとどめを刺されちゃいます。

下山後は大概お湯に浸かって温泉成分とその日の思い出を身体に染み込ませるわけですが、下山してすぐに入れる 中ノ湯温泉旅館の露天風呂は特に最高です。
雪を見ながら長湯できるぬるめのお湯と、穂高連峰の眺望。これ以上はないでしょう。きっと。
静かな樹林帯からお釜ときて、火山ガスをかわして超オープンバーンからの深い沢。1日でその全てが味わえる焼岳は僕を引きつけてやまないのです。

標高の高い北アルプスの稜線付近まで登る時は、耐久性と 軽さとを両立したLOFOTEN GORE-TEX PRO JKTを着用。暖かい春はパウダースカートを外して、よりコンパクトに持ち運べます。

奥穂高山頂から眺めても気になる存在の山、焼岳。 (板の上に頭を出している山)
今シーズンは現時点で雪が少ないですが、順調にいけば3月頭に遊びに行く予定です。
例年まれにみる少雪の今シーズン。いつもと違う姿が見れるのもそれはそれで楽しみです。


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佐藤