屋久島はひと月に35日雨が降ると例えられる。
今回の滞在では晴れる時間こそあれど毎日が雨か大雨。これはもう冗談ではなさそうだ。

< 雨のトロッコ道 >

こんにちは。原宿店スタッフの宮﨑です。
先日、屋久島に行ってきました。

このブログを作成するのに最初は旅行記を書き留めました。ただ人生初の屋久島に加え、初めての経験を沢山させてもらったが為に6日間の旅は超大作になってしまいました。
ここで6話完結・屋久島旅行記にお付き合いいただくのも気が引けるので、ご興味ある方には1つひとつの経験を是非店頭でお話しさせて下さい。

ここでは「ガイドのこと」「強く感じたこと」を書き留めたいと思います。

< 縄文杉 >

9月中旬、被害を多く出した台風10号。
屋久島も土砂崩れなどが多数発生し、皆さんも「弥生杉が折れた」ことはニュースで耳にしたのではないだろうか。
私たちはこの10号が過ぎ去り、11号が九州の西方をウロウロしている頃に屋久島へ旅に出た。

< 体感風速15~20m?!真面目に計測中の新井場。島へはフェリーで上陸するのがおすすめ >

滞在期間中はフェリーや飛行機の運行中止がちらつくほどの悪天候。その為、目的地の1つでもあった九州最高峰・宮之浦岳へのテント泊はキャンセル。

予定を変更して屋久島をぐるりと1周しながら海・森・滝などを案内してもらうこととなった。

< 屋久島ガイド旅楽の田平さん御夫婦 >

今回、お世話になったのは「屋久島ガイド旅楽」の田平さん。
毎日のガイド業でHOUDINIとNORRONAを愛用してくれている。

木こりを経てガイド業に就いた田平さんのガイドは、数歩進めば屋久島の植生についてやそれにまつわる歴史や文化の話が出てくる。
その話は日本という島国ができる前のことも出てくるし、ヒトや植物のDNAのことも出てくる。
まるでタイムトラベルツアーだ。

これは田平さんがあらゆる分野で活躍する方々をガイドしてきたからこそ出来る、オリジナリティあるツアーだと私は思った。

< 巨大なクワズイモが群生 >

これがもう楽しすぎる。ひとりで来るよりも見ている世界の解像度が遥かに上がるのだ。いや、見えている物事にとどまらず、話を聞くことで興味は他の島や北海道まで及んでしまった。
それもそのはず。屋久島植生の垂直分布は九州から北海道まで日本列島の自然が詰め込まれているというのだから。

< こんなにでかいガジュマルは見たことない! >

しかし沸き立つ興味と裏腹に、私は目の前に広がる「自然の豊かさ」を全身で感じる為に身を委ねたかった。
どちらの魅力も大きすぎて、旅仲間との会話がおざなりだったかもしれない。(先輩方スミマセン!)

< 白谷雲水峡の苔むした森 >

「これを植物のリーチングと言います」。そう田平さんに教わった。
雨が降り、木々を伝い苔に落ちる。その苔から滴る水を幼樹がすくい新たないのちと成る。
この時、葉や苔からは養分が溶け出している。その養分を含む水を糧に新しい植物が育つのだ。
この現象が視野に収まる範囲でわかりやすく、あらゆる所で見ることができるのが屋久島の魅力のひとつだろう。

< 木の根元の苔とそこに芽吹く木 >

力強さと美しさ

ほぼひとつの花崗岩でできた屋久島。土はほぼない。したがって雨が降ったら滝や川は一気に増水する。
その迫力は物凄く、恐怖を感じるのだが、ほとんど濁らないから美しくも映る。そんな景色が島のあらゆる所で見られるのだ。

オススメは「千尋の滝」。大きな滝は勿論だが、それ以上に目を奪うのが側面の斜面。スケールがでかい!
展望デッキから見る美しい景観と、下に降りて見上げる迫力の違いはとても面白いものだった。

< 千尋の滝 >

< 小杉谷休憩舎前の川。もののけ姫サンとアシタカが出会うシーンを思い出して感動 >

標高の低い滝の周りの森にはガジュマルやクワズイモが群生する。このような森からは南国の森らしいワイルドさがあった。
映画ジブリのもののけ姫や、千と千尋の神隠しの題材にもなったことで知られる牛床詣所や白谷雲水峡の森では、神秘的な空気感が漂う。
一言に森と言ってもこうも違うのかと不思議でならなかった。

< 牛床詣所 >

これお読みいただいている皆様も自然の雄大さや、動植物が共存共栄するのを感じ感動を覚えたことは少なくないと思う。
屋久島ではどこにいても生きとし生けるものの息遣いを感じられる。木々や苔、ヤクザルやヤクシカ、海の生き物も。
人は屋久杉を建築材にしたり年貢とした時もあった。

 この島で覚えた感動はキリッとした刺激的なものでもなく、広大な景色などのスケール感でもないが、大きな安らぎを感じることが多かった。
今、屋久島で「癒しの森林浴ツアー」が流行っているのも頷ける。
勿論、宮之浦岳に登ったらまた違う感動も味わえたと思う。絶対リベンジしたい!

< 大きな岩の下でヤクシカが雨宿り中。僕らもお邪魔して反対側で休憩させてもらう >

屋久島に行く前は、「もののけ姫の舞台だ。きっときれいだぞ」「洋上アルプスに上陸して九州最高峰の山に登るんだ」くらいでした。
そこにガイドが付くことであらゆる角度から屋久島を知ることが出来たのは、屋久島ガイド旅楽の皆さんのおかげです。

最後になりましたが改めて御礼申し上げます。

< 大川の滝で集まったメンバーとパシャリ >

これからも自然の中で遊ぶために、いろんなところに飛び出したいと思います!

自分の五感で感じるってやっぱり最高!!


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