場所についても同じです。最高級の真珠は、ネックレスにぶら下がっているわけではなく、限られた人しか足を踏み入れることができない未知の場所でしか発見することができないのです。これらの珍しい真珠を探すことはいつもそう簡単ではありません。忍耐は美徳であり、未知の地形に適応する能力は最初の段階ですでに図られています。NORRØNA社のCEO、ヨルゲン・ヨルゲンセンによると新しいコンセプトを打ち立てるとき、これらの貴重な真珠を探すことに時間がかかるのは謎ではないと言うのです。
「要するに、シェイプすることのできる手つかずの場所を探して、新しい何かを創造することだね。その場所にはコンセプトを構成するためのアクティビティが必要だけど、最も大事なことはその地域の誇りや精神風土だよ。」
それはロマンチックな描写に終止符を打つ瞬間でした。車には4人のNorrønaアンバサダーと2人のクレイジーなカメラマンが乗っており、そんな会話をしながらトロムソの空港からTamok の谷に向かって行ったのです。
Nordkjosbotnに到着して車を停め、現地ガイドに電話をし、トナカイのタクシーを待っている間にブラックコーヒーを楽しむことができます。ガイドはもちろん事前に予約済みです。それから、前の文の上にラインを入れて、最初の北ノルウェー語のレッスンを受けます。北の地の物語は、ひとつまみの塩と一緒に撮られる必要があると。
Nordkjosbotnから正しい方向に出発するためには確認が必要でした。この場所が北ノルウェー最大の交差点と呼ばれているという事実もありますが、そんなに心配することではありません。実際には3つの方向しかなく、ここに来た道を除けば残りは2つしかないのです。
もしも「TAMOK VALLEY」という大きな看板があると思っているのであればそれは間違いです。また現地に詳しくないのであれば、GPSを持っていることが報われるでしょう。そして最終的に到着する頃には目を休めることができます。何しろ完璧に真っ暗闇なのですから。
Olsrud Adventureのリビングルームは松の羽目板の壁で覆われていて良い雰囲気です。カメラマンSandbechとアンバサダーのWiigは最新のアニメを発見し、笑い声が轟く中、チーフが到着しました。彼の頭は動物の毛皮のような巨大な帽子で暖かく保たれ、上半身はGORE-TEXで包まれていたものの、大事な部分は防水性の低い素材、つまりタオルで覆われていました。道路の反対側にあるサウナで十分に温まった彼の頬はピンク色になっていました。彼の名はAadneといい、私たちのガイドです。
Aadneはこの谷があるBlasfjordの5720人しかいない住人の一人で、TAMOKのテイストを表現出来る人気の請負人です。
「すべては資源次第ですね。資源は長い冬と豊富な雪、そして大きな山なのです」
スノーボードのオールドレジェンドであるJarkko Henttonenはハードコアなスノーボーダーやスキーヤーのため、そしてTAMOKを認知させるためにたくさんの投資をしてきました。ゆっくりと、着実に成功を収めたいくつかのフリーライドの大会を主催することによって、そして2年の歳月をかけたリフトの設置によって。
「99.9%のTAMOKの人々は変わることに対して前向きなのです。間違った場所に駐車をするようなことにさえならなければ」とAadneは笑いながら言いました。
青みがかったフラットな朝日が谷の上に落ち、谷の輪郭を際立たせていきます。一見それは白樺の木が侵入してきたような、それともそうではないのか、もう一度見るとその合間が見えるのかもしれません。そこにはたくさんのマッシュや沢地形、ツリーランや飛ぶのに最適な岩など、ポテンシャルの高い遊び場が目の前に広がります。そして自分とこの風景との間に唯一あるものは自身の創造性ですが、それでも時間は限られているのです。私たちは暗闇の中を歩いていましたが、ライトが消える前に良いロケーションを探す必要があります。「みんなヘッドライトを忘れないで!」とカメラマンのHolterが言っていたにもかかわらず、どうやらWiigは忘れていたようで、私たちは車に引き返すことになりました。
暗闇が忍び寄り、どんどん寒くなっていきますが、ノルウェー北部ではそれについて文句を言うことはできません。誰も暗闇の中で滑った経験はありませんでしたが、「暗闇を恐れていないよ」とアンバサダーのTritscherは言います。「狼が出るって聞いたことがあるけど、私も暗闇は怖くないわ」と、同じくアンバサダーのHarginもまた恐れていることを否定します。「暗闇の中での滑りは正面に迫ってくるものだけを見て対応することができるけど、その先に本当に何があるのかというのは分からないよね」
新月の晩、アンバサダーたちが撮影のために斜面の丘を歩いて上っていくのを見ていました。極地での夜の撮影の待ち時間は少し長く感じることがあります。しかし、HolterとSandbechの二人のカメラマンはこの待ち時間に暖まる方法や時間を潰す術を長年の経験で幾つか身につけていました。プロレスごっこをしたり、宙返りをしようとして数え切れないほど失敗したり、何往復も徒競走をしたりと、そのレパートリーは基本的にあちこち動き回っているものです。その一方で、TritscherとWiig, Harginのライダーたちはついに山腹の端に到達しました。この瞬間にTAMOKの全く新しい視点を知ることになります。丘の中腹に立つアンバサダーたちのすぐ横に寄り添うように月が現れ、その月と握手ができそうな、ほんの数秒の間、まるで魔法にかかっているかのような時間が訪れました。
「ワン、トゥー、スリー、ドロップイン!」
トランシーバーからAndreasの歪んだ声が聞こえました。3つの光(ヘッドライト)が森の中を滑走していくとき、まるでSTAR WARSの映画のワンシーンの中にいるかのように感じます。たっぷりのパウダーがまるで紙吹雪のように舞い上がり、スムーズなターンが雪の中に深い跡を刻んでいきます。その後、暗闇の中からヘッドライトのない三脚を担いだ人が現れました。そう、私たちは最後の一人を忘れてきてしまったのです。Norrønaアンバサダーで撮影監督でもあるNikolai Schirmerが慌てる我々を鎮めます。「大丈夫、ただ自分のプライドが傷ついただけだよ」と。フリーライドの条件のすべてを叶えてくれるこの素晴らしい谷での撮影を終え、冷え切った体を暖めるため、松の羽目板の壁で覆われたリビングルームに戻っていきます。
「出発30分前!」カメラマンのHolterが叫びました。雪山を愛する者たちが雪山を去る時、軍隊式の声掛けもまんざら悪いものではありません。SchirmerとTritscherはまだ外で最後の撮影をしていて、Harginは複雑なパッキングとヨガを同時に行い、Sandbechは北ノルウェーの干し魚を口に運びながらたくさんのカメラ機材を手の中に抱えていました。彼の口にした干し魚からの独特な臭いはこの連中に異なった反応を起こさせるのです。Wiigはほとんどが悪口でしかないけど、幸いにも地元の言葉を学ぶチャンスを得ました。それから、我々は誇らしげに「bullkuk!!」(直訳すると男性の睾丸のこと)と開いた谷に向かって叫ぶと、直後に太陽が昇ってきたのです。待望の太陽の輝きがTamokの谷をこの年初めて照らしました。その太陽の暖かさを感じながら、我々が再会するのにそんなに時間はかからないだろうと思わずにはいられませんでした。
FACTS:
tamok:
Norrøna’snew backcountry freeride concept.
Tamok valley:
30 km long valley in Ballsfjord municipality in northern Norway. The valley is about 200 m above sea level and the highest mountain 1600m above sea level
How to get there and where to live:
Fly to Tromsø (TOS) and rent a car.
Follow the E8 road past Nordkjosbotn and to Overgård.
Take a right turn when you get to Overgård and turn on your GPS. Enter Olsrud Adventure or call Aadne +47 48 17 47 00.
The drive from Tromsø to Tamok valley takes about 1 hour and 30 minutes.
Nordkjosbotn the largest intersection in Northern Norway:
The reason being that this is the main access in to Tromsø, as both the E6 and E8 cross here.
If you want to challenge the darkness:
27. November – 15. January.
But we liked it best in February.
Food:
Buy your food and drinks in Tromsø as there is a huge lack of groceries stores in Tamok.