「スイス人の僕にとっては、すべてがデカく感じる。トラック、バーガー、コーヒー、そしてジャンプの振幅まで、すべてが大きいね」
Norrøna のアンバサダーであるアーミン・ビーリは、昨年の秋にカナダを旅した際に耳にした、エンドレスなトレイルをいつかは体験すべきだと考えていた。ネルソンを拠点に活躍する写真家、カリ・メディグと落ち合った彼は、ネルソンの多様性に満ちた、高度な技術を要されるトレイルをいよいよ体験することとなった。
19世紀後半、ネルソンは銀の採掘で栄えた土地だったが、今は別の理由で人々がこの街に押し寄せている。この街が輩出したトップクラスのフリーライダーの割合は高く、世界的に見てもネルソンはマウンテンバイクの先進エリアとして知られているのだ。
アーミンほどのスキルがあるライダーならば、ここで存分に力を発揮できるはずさ」– カリ・メディグ
「この場所の夏のイメージはまったくつかめていなかったけど、メジャーなバイク雑誌でいくつか記事を読んで、すごく興味をそそられてたんだ」 – アーミン・ビーリ。
8月末、カリとアーミンは、ブリティッシュコロンビア州のセルカーク山脈の山奥(ネルソンから車で約1時間半)にあるレタラック・ロッジからやって来たマイク・キンレードとマッティ・バレットと合流した。彼らのロッジは、冬期にパウダースノーを滑るキャットスキーが存分に楽しめるスポットとして有名だが、最近は夏期に熱心なマウンテンバイカーを引き寄せるために、長く、流れるようなフリーライド用のトレイルに投資を行っている。夕暮れ時、尾根に立った男たちのお腹は、空腹のあまりグーグー音を立てており、暖かいディナーとベッドが待つ数千フィート下の地に駆け下りて行く瞬間を心待ちにしていた。 それにしても、眼前に広がる夕日が地平線に沈んでいく光景は圧巻で、しばし、目が離せないものだった。インディアンサマーの風はまだ暖かく、コンディションは完璧だった。
「バイクに乗っているときは、走りの流れを感じ、次のターンとジャンプをどうするかということだけ考える。その一瞬なんだよ。」とアーミン。「それに、森のなかではなくて、大自然に囲まれた環境をバイクで走り回るのは最高だよ。自然が与えてくれるものを楽しむことも大事だけど、注意深く行動して、自然に何かを還元することも大切だよね。ここでのマウンテンバイキングは、まるで、ハイキングをしている時のように美しい夕日やすばらしい景観を眺めることができるし、その上、アドレナリンが分泌されて、思いっきりハイな気分になるんだ」
彼らは楽々とターンを決め、イキのいいジャンプを随所で見せながら、次々に下りて来た。彼らの動きは何とも滑らかで、興奮した面持ちで山の麓に降り立つまでは大して時間がかからなかった。
そして、一日の締めくくりは、Oso Negro Coffeeshopの最高においしいアメリカンサイズのバーガーとコーヒーだ。
カナダのワイルドで無限大の大自然を目にしたアーミンの表情は驚きに満ちていたね。スイスでアーミンは、木こりをしているけど、僕が察するに、彼はどうすればここにまた戻ってこれて、トラックを購入して、カナダの木こりになれるだろうかと考えながら、頭がグルングルンになっていたように見えたよ」
-カリ・メディグ