樹氷原とオープンバーンで知られる八甲田山は、中腹から麓にかけて広がるブナの樹林帯の魅力もまた格別である。高い梢が風と日射を遮るために、森のなかの雪はいつもフレッシュで、まばらな木立を縫うよう自由自在に板を走らせる喜びといったらない。
八甲田山ガイドクラブの隊長、相馬浩義さんも、そんなブナの森に魅せられた一人だ。
相馬 浩義 (そうま・ひろよし)
1960年生まれ。青森県青森市出身。26歳で城ヶ倉温泉で八甲田ガイドになり、1991年八甲田山ガイドクラブ設立、翌年2代目隊長に就任。以来、冬はスキー、スノーボード、テレマークスキー、夏はトレッキングで八甲田山をガイド。現在は拠点となる八甲田山荘の運営も引き継いでいる。
「いい雪を滑りたいじゃないですか。だから毎日、関心を持って山と接しています。昨日はどんな風がどのくらいの強さで吹き、どの程度の雪がどう降り積もったか。そうした意識で毎日を過ごしていると、今あの斜面はこんなコンディションになっているなと想像できるようになります。なかには暖冬や少雪に悩まされることもあるのですが、そんなときでもブナの森のなかだけは期待を裏切ることはありません」
相馬さんたち八甲田山ガイドクラブのガイドたちは、12月から5月までの雪のシーズンは、ほぼ毎日のように山に入っている。週末はもちろん平日でもガイド仕事が途切れることはなく、たとえ強風でロープウェーが運休しても、ブナの森に行けば遠方からやってきたゲストを楽しませることができる。驚くことに、その間、相馬さんたちに休みはほぼない。
「ひとことで言えば、それが仕事ですから。とはいえ、もちろん自分自身としても山に入ることが好きで、滑ることが好きです。真冬のパウダーから、春の雪になり、最後は途切れがちになった残雪を滑って大満足でシーズンを終えても、また冬が近づくと、滑りたくてウズウズしてくるから不思議なんですよね」
ガイドとしてこの山で働くようになって30年以上になるが、いまだに毎日滑っても飽きることはないという相馬さん。そんな八甲田山のベテランガイドの周囲は、今年もまた多くの滑り手たちの笑顔で包まれることだろう。
このリンゲンハイロフレックス100ジャケットは、基本的にはソフトシェルなので、冬はミッドレイヤーとして使えばハイク中の風や降雪をある程度防げますし、春はアウターとして快適です。軽くてよくストレッチするから着ていてストレスがなく、背中側がグリッドフリースになっているせいか、ザックを背負ったときに熱が篭もりにくい。また、腹の中央にファスナーのあるポケットはけっこうな容量があり、真ん中からクロスして入れられるから使い勝手がいい。シールのように濡れたものを入れても、ポケットの腹側に防水メンブレンが入っていることで腹が濡れることがないという細やかな気遣いも最高です。
厳冬期のアウターにはロフォテンゴアテックスプロジャケットを使っています。吹雪の日も多いので、防風性と防水性、透湿性が高く、また毎日ガイド仕事で使っても支障のない耐久性は頼りになります。パンツは厳冬期から春まで、どんな季節でもロフォテンゴアテックスプロパンツを選びます。しっかりとした生地感は山の中で頼りがいがあるし、濡れやすくなる春もゴアテックスプロなら安心です。もちろん、スキーでもスノーボードでもハイクでも、下半身の動きにはストレスがないのがいいですね。
Hiroyoshi Soma
@hakkodagc
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-Photo by
Hiroshi Suganuma
@suganumahiroshi
-Text by
Chikara Terakura
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