国際山岳ガイド、佐々木大輔の冬は多忙である。自宅のある北海道札幌市をベースに、スキーシーズン中は道内各地の雪山を転々としながらガイドを続け、ときにはスキーガイド資格検定やガイディングのために長野や立山方面にも足を延ばす。
佐々木 大輔 (ささき・だいすけ)
1977年生まれ。札幌市出身。国際山岳ガイド協会認定国際山岳ガイド。ビッグマウンテンスキーヤーとして世界大会に参戦しつつ、世界の山々にトラックを残す。2017年デナリ・カシンリッジ登攀後、南西壁を滑降。国立登山研修所および国際自然環境アウトドア専門学校山岳プロ学科講師。日本山岳ガイド協会理事。「ガイド盤渓」主宰。
かつてビッグマウンテンスキーヤーとして世界大会に出場し、アラスカやグリーンランドなど世界の山々へ遠征を繰り返してきた佐々木。その時代と軸足の置き場は違っても、スキーを履いたプロフェッショナルという点ではなにも変わらない。それも筋金入りだ。
そんな多忙な日々を送る佐々木だが、時間があればサッポロテイネスキー場に滑りに出かけている。自宅からはクルマで小一時間以内にスキー場が数カ所あるが、そのなかで滑りごたえでは群を抜く存在。佐々木はこのテイネに10代から通い続けてライディングを磨き、多くのスキー仲間と出会って世界へ羽ばたく扉を開いたのだ。
「昔に比べると頻度は少なくなったとはいえ、とくにシーズンインの時期はできるだけ通って滑り込むようにしています。昔から滑ってきたホームマウンテンなので、ここを滑ると自分の調子の良し悪しがハッキリわかる。最近では衰え感もですけどね(笑)」
30度オーバーの壁が3段に折れ曲がって続く「女子大回転コース」に、最大36度というゲレンデ内ツリーランの「北かべコース」、さらにはゲートの先に広がる急斜面のバックカントリーエリアなど、急斜面の宝庫という点では北海道随一である。また、そうしたハードな顔とともに、左に石狩湾、右に札幌市街が広がる山頂からの眺望は抜群である。
「最近は子ども達もずいぶん滑れるようになったので、テイネに連れて行くこともよくあります。家から近くて一番の滑りごたえなので、シーズン中でも時間が空いたときサッと滑りに行けますしね」
佐々木にとってスキーとは、仕事であり、トレーニングであり、家族と過ごす大事な時間であり、そして自身の最大の楽しみ。スキーと山を生業にしながら、つかの間、時間があれば、好きなスキーを存分に楽しむ。それが佐々木大輔のライフスタイルだ。
『リンゲン ドライ2 サーモ60 ジャケット』は、スキー場で滑るには最高のジャケットだと思います。保温性のある中綿入りジャケットですが、比較的薄手の中綿のせいか、着用感は軽く、動きにストレスがない。天気の悪い日の吹きさらしのリフトの上でも暖かくいられるのはいいですよね。スキー場を滑る割合が高い人にはお勧めです。
ガイディングでは、やはり『ロフォテン ゴアテックス プロ ジャケット&パンツ』を愛用しています。ノローナを着るようになってそろそろ10年になりますが、ずっと着用し続けています。やはりゴアテックスプロと素材の厚みによる安心感が一番。デザインも洗練されて着心地も向上し、完成度の高いウエアだと思います。
細かい点ではジャケットのフロントファスナーとは別に、タテに開くメッシュ付きベンチレーションが胸元にあるんです。換気効果という点もそうですが、メッシュを開けるとウエア内部にアクセスできる。もしもなにかあったときに、ジャケットを着たまま素早くビーコンを操作ができる。そういった点でもプロフェッショナル仕様といえます。
また、パンツは太めのシルエットですが太すぎることなく、生地の厚みに信頼感を覚えます。登っている最中の岩との擦れや、エッジが当たったり、濃いヤブに入ってもへこたれない。ポケットやベンチレーションの位置も完成されていて、もう自分の体の一部になっている感があります。
Daisuke Sasaki
@daisukesasaki1721
https://guide-bankei.com
-Photo by
Key Sato
@keyphoto
-Text by
Chikara Terakura
@c.terakura