— 夏の間も何かエキサイティングな出来事はありましたか?
「いや、スリランカに3週間ほど行っていたんだ。東海岸でサーフィンをしたり、あちこち散策していた。冬が始まる前に、暖かい場所で過ごすのはいい感じだね」
— いい夏を過ごせたようですね。
「自分にとってすごくいい夏だった。でも、僕にとって夏は初雪に備えておく期間。だから、体調を整えるためにジムに行ってクロスフィット・トレーニングをやったりしている。トランポリンで新たなトレーニングも始めた。今はダブルフリップに取り組んでいるんだけど、実際にスキーに取り入れる前に体に覚えさせたいんだ」
— 今シーズンはどんな感じで始まりそうですか?
「10月末には氷河でスキーができるようになるから、だいたいこの時期から僕のスキーシーズンが始まる。10月下旬にはインスブルックでIF3のムービーイベントがあるんだけど、本格的なスキーシーズンが始まる前にいろんなインスピレーションを受けられるのはいいことだね」
— ここ数ヶ月間で何か特別な計画はありますか?
「Red bull主催の大会等に招待されれば、オーストリアでの大会にいくつか出場するつもりだけど、Legs of Steelとの映画製作にフォーカスする予定。これは、2年間におよぶプロジェクトで、今年が2シーズン目なんだ。それにカナダにも戻りたいね。去年は地元をもっと開拓したかったけど、残念ながらいまひとつ楽しめなかったから」
— そう言えば、この100年間でもっともひどい冬を過ごしたと聞いたけど…。
「まったくその通りでいいコンディションとは言い難かった。何とかスキーはできたけど、今まで行ったことがない場所でいい雪を求めて歩き回っていた時間が多かった。まあ、いい雪を求めていつまでも山々をハイキングしていたおかげで、体も鍛えられたけど(笑)」
— モチベーションを失ったりはしませんでしたか?
「そんなことはないよ。もちろん、そんな状態になったら落ち着かなくなるし、雪がある場所に旅立ちたくなる。でも、スキーパークで過ごしたりしながら、できる限りの努力をしていいスポットを見つけようとした。あまり雪がない状況だと、どうにかしていい場所を見つけてやろうと逆にモチベーションが上がるんだ」
— 撮影をしている時はどうですか?自由にスキーをしているときと比べ、仕事という意識が強くなりますか?
「自分の好きなことができるのだから本当にラッキーだと思っているし、いわゆる普通の意味での仕事との比較はできないな。スキーをしている時はとにかく楽しいけど、映像を撮影しているときは時間が取られるし、スキーをする時間は確かに減る。プランニングにも時間がかかるし、待ち時間も長いし、ただ単にスキーを楽しむ時より問題も多い。でも、シーズン中に目標があるのはいいことだよ。何かを作り上げることはモチベーションが上がるし、がんばった結果を見るのはいい気分だ」
— スキーパークとバックカントリースキーの双方に関心がある新しいタイプのスキーヤーとして、あなたはどんな感じで時間を使い分けていますか?
「おそらく30%をスキーパークで滑っている時間に充てているかな。僕はスキーパークでまず滑ってゲームに活用する。安全な場所で技を磨いて、バックカントリースキーで実践する感じだ。スキーパークでは仲間とリラックスして滑れるからいい感じだけど、今はバックカントリースキーにより時間を割いているね」
New school skier tobi Tritscher skiing in the alps
— スキーパークの安全なエリアからバックカントリーに場所を移動したとき、リスクを考えますよね?
「もちろん、スキーをする前にリスクを考えるのは撮影する際に大事なことだよ。その場所のこともよく調べて、雪の状態をチェックして、何らかの影響をもたらす可能性があるものには細心の注意を払わなければならない。これは誰もがやっていることだよね。でもこういうリスクがあるっていうことは、スキーに魅力があることだと思うよ」
— 撮影中、思いもよらない事故にも遭遇しますか?
「何回か雪崩にあっただけかな。それも幸運なことにそれほど大きな雪崩じゃなかったし」
— まだ行ったことがない場所で、これから滑ってみたい場所はどこですか?
「アラスカだね!あそこに行くことを夢見ているよ!」
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