Takaoki Hashimoto

 “Hassy”こと橋本貴興さんにとって極上の「斜面」とは、抗い難い引力を備える魔物のような存在だ。橋本さんいわく、「日本一魅力的な斜面はここ、長野にある」。白馬に暮らす友人でプロスノーボーダーの南浦高志さんに連れられ、初めて長野のバックカントリーを滑った際、その山の大きさに圧倒された。2007年に長野県に移住したのも、「長野こそ日本の“屋根”」という確信を得たからだ。

 北信五岳に囲まれた信濃町は、山はもちろん野尻湖も近く、山遊び・水遊びには事欠かない。近年はサーフィンにものめり込んでおり、波が良ければ早朝、新潟まで一走りする。雪も波もなければ、横乗りアクティビティのルーツであるスケートを存分に楽しむ。

「つまり、一年を通してその時々の旬の遊びを楽しめるロケーションなんです」

 これまでは貪欲に板を使ってのクリエイティビティを追求してきた橋本さんだが、近年、その情熱は地域社会にも向けられるようになった。現在は地域の子どもたちに安全で自由に遊べる環境を整えてあげたいと、プロスノーボーダー小西隆文さんが主催するNPO法人「LIBRANT」の活動を積極的に支援している。その第一弾として、スタックラインやボルダリング用のウォール、スケートボードパークなどを備えた施設が今春、オープンする予定だ。

「これからは自分のためだけでなく、未来のライダーたちのために活動したい」と橋本さん。自分がライダーとして経験してきたことを次の世代に伝えていく、そんな幸せをかみしめているところだ。

M’s Omni Pants

クラシカルなデザインが魅力的なチノスタイルのパンツを、速乾性、伸縮性、耐久性に優れた高機能素材、Metropolis Stretch Twill™で仕立てました。どんな動きも妨げないよう、股下にはクロッチパネルを配し、膝の動きに追随する立体裁断を採用。裾にはクライミングシューズや自転車のギアと干渉しないよう、裾を絞れるドローコードを備えています。トレッキングやクライミングなどのアウトドアシーンはもちろん、自転車やスケートなどの日常アクティビティにも。裾に向かって細くなるテーパードシルエット、レギュラーフィット。

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橋本 貴興 (はしもと・たかおき)
1975年生まれ。大阪府出身、長野県信濃町在住。87年にスケートを始め、90年代から関西のスケートシーンを牽引してきた。先輩スケーターの影響でスノーボードを始め、長野県に移住。現在、冬期はホームゲレンデにて平日限定ゲレンデセッションを開催している。今夏、自身がライダーを務める平塚のスケートショップ、「MO3store」(www.mo3store.com)よりシグネチャーモデルのデッキが発売予定。デザインは「Palm Graphics」(https://pg-goods.stores.jp)の豊田弘治さん。

@takaokihashimoto
https://hassytimes.wordpress.com

右が今回発売されるモデルで、左は20年前に発売された25歳のときのシグネチャーデッキ。 Photo: Takaoki Hashimoto

-Photo by

Keiji Tajima
@heart_films
http://heartfilms.com

-Text by

Ryoko Kuraishi
@ryokokuraishi