Satoshi Tsukahara

Houdini 10th Anniversary

Satoshi Tsukahara

ABOUT ME

塚原 聡

北海道生まれ。札幌の老舗山岳ガイド会社ノマドでガイド活動をスタートさせ、バックカントリースキー・スノーボードの黎明期から北海道の雪山を開拓。2006年に独立し「北海道バックカントリーガイズ」を立ち上げる。拠点として選んだ赤井川村は、どんな暖冬の年でも必ずいい雪が降り積もると言われるほど、クオリティ感ある積雪に恵まれる地。広い道内から赤井川を選び抜いた選択眼が光る。冬はバックカントリー、夏はカヤックやSUPをメインに、北海道の四季を駆け巡るマルチなガイディングと、周囲を笑いの輪に巻き込む人柄に熱心なファンは多い。現在、ガイド業務と並行してスキーガイド検定員、雪崩事故防止に関する啓蒙活動も行なっている。JMGA山岳ガイドステージⅠ・スキーガイドステージⅡ、北海道山岳ガイド協会副理事長、雪氷災害調査チームガイド部門代表

ABOUT ME

「Houdiniとの出会いは古く、まだ日本で本格展開する前からいくつかのインナーウエアを使っていました。本国から代表やデザイナーチームが来日したときは、一緒にパウダーを滑って語り合ったりと、いいお付き合いをさせていただいています。本来のHoudiniは、繊細で、ナチュラルで、落ち着いたイメージ。それは代表をはじめとして女性スタッフの多いこともあるのかな。一方、僕はどちらかというと、いつも動き回っていないと生きていけないタイプの人間で、Houdiniのイメージとは対極のようにも思えます。そんな僕でも、Houdiniをまとうと落ち着いた人間に見えてしまう。そんな魔法のような力がHoudiniにはありますね」

1. Outright Houdi

Power Houdiと並ぶ名品ですね。四季を通じてフィールドで欠かせないアイテムです。暖かさで言ったらPower Houdiなんですが、山で行動中に着るには暑すぎるときもある。その点、Outright Houdiは、使える温度帯が広い。寒い季節はしっかり着込んで、温暖な時期は半袖1枚の上にちょっと羽織る。寒いと暑いの中間くらいのところで、行ったり来たりしてくれるから、着用範囲が広がります。やや薄手で折りたたんでもかさばらないので、山でも海でも、常に持ち歩いています。

1. Outright Houdi

2. Swift Pants

水辺とクライミングの両方で使えるというコンセプトだった記憶があります。ベルトレスで、下部はボタン留め、上だけサーフトランクスのようにヒモで締める。これが調子よかった。穿いて、ボタンを留めて、ヒモをギュッと締めると、気が引き締まりました。その2段階の開閉が面倒な人もいたと思いますが、僕は大好きでしたね。残念ながら廃盤になってしまいましたが、現行品ではWadi Pantsがこれに近いのかな。ゆったりとした穿き心地で、裾はシュッとしている。とにかく軽くて、短パンで行くような南の島や夏の暑い日でも、夜は少し寒くなるのでパックパックに常備していました。真冬は家のなかで穿いています。Tシャツ感覚で穿けるロングパンツという表現がピッタリです。

2. Swift Pants

3. Dunfri

「塚原さんといえば、Dunfriですね」とお客さんに言われるほど、アウターはこれ。雪山では出発前や休憩時に着て、夏山でもテント場や山小屋に着くと、真っ先に袖を通します。比較的温暖な日でも、シャツやフリースを脱いで半袖シャツの上からDunfri。冬はシェルを脱がずにその上に着用するので、少し大きめのダボダボサイズを選んでいます。ポケットも大きいので、カメラや小物をいろいろ持って行けるのもいいですね。製品自体は10年前からほとんど変わっていない印象です。あくまでシンプルで、余計なモノは加えない。安易にモデルを増やさず、原材料や製品の無駄を防ぐという意味でもHoudiniらしさを感じますし、僕はそこが気に入っています。僕自身、ひとつのウエアを穴が開くまで長く着続けるので、僕のDunfriはいつもボロボロ。それもひとつのメッセージだと思っていただければと思います。

3. Dunfri
photo: Hiroshi Suganuma, Takeshi Wakabayashi text: Satoshi Tsukahara, Chikara Terakura