全国各地から滑り納めの頼りが来るこの時期、ワタシ達は恒例の海外出張です。各ブランドの担当者が来年の春夏コレクションを確認するために海を渡ります。僕の担当するブランドはノルウェー。もうかなり時間が経ってしまいましたが、毎回たくさんのことを学び、心を新たにさせてくれるイイ機会でした。新コレクションご期待ください。
ちなみに、せっかく会社のカネで海外に行けるんだから、と、ワタクシいつも出張のラストに週末をぶつけます。そうすると、馴れない英語とデスクワークにげっそりしている姿を見て、「ウィークエンドはネイチャーにいこうぜ」と誘ってくれるからです。
Mt. Gaustatoppen
かの有名なテレマーク地方にあるノルウェー人なら誰もが知っている名山。国土の1/6が見えるという眺望の良さに冷戦中にはNATOがこの頂上に基地を建ててソ連を監視してたとのこと。これだけノルウェーに来ていることだし、その独立峰の形状と佇まいもなんとも岩手山っぽくシンボリカルで、一度は行ってみたい場所のひとつでもありました。
標高は1883mとそれほどではないものの、北欧の2000mは完全にホントのヤマ世界でした。晴れていればなんでもない観光登山なんでしょうが、登りはじめの粉雪天気が途中で衝撃の急変。吹雪っていうか、嵐っていうか、ものの十分でホワイトアウト。頂上はなかなかの突風でマイナス14度でした。これが頂上なんだけど、なにがなんだか分からん。
「雪が少し降る予報だね、ハブ ア ナイス パウダー!」なんて行く前にカワイイ女の子に言われたけれど、「上はカリカリだからクランポンが必要だよ」とか「そもそもけっこう寒いよ」とか、そういうこと教えて欲しかった。
アッチもコッチもおんなじような景色すぎて、最後も下山中に車を止めた場所をロスト。けっこう森を彷徨いました。頭の中ではずっとビートルズの「ノルウェイジアン・ウッド」が流れてた。コンパス駆使して沢をスキー担いで三回徒渉して、ようやくクルマに戻ったのが夜の九時半でした。でもまだ明るい。だいじょうぶ。危険な国です。
翌日はきりっと晴れ上がって、反対側の小高い山に登ったら、目の前の白と蒼だけの絵に自分の足跡を辿ることができました。なんだかんだどこの国でもこの瞬間っていいですよね。
HODAKA
Comments by fullsales