19歳で海外で一人暮らしを始め、あと10日で49歳になる。あっという間といえばそうかもしれないが、それほどの時間が経ったという実感はそんなにない。毎日やりたいことをやり充実した生活がおくれるように心がけてはいるが、そういう毎日をこの30年間できているのかはまだわからない。

とはいえ、7年過ごした海外での暮らしを26歳の時に切り上げ夏や時間のある時だけのお手伝いでやっていたこの仕事が今は本業になり、毎年変わらずに海外に出かけてもいる。ここ数年は海外に出かける日数と、海外からの友人たちを日本で迎える日数が変わらなくなりつつある。出かけるのは決まって初夏と初冬のニューモデルの買い付け時で、迎えるのは冬の雪のある時季とかなり限定されている。

多くの海外の友人から学んだことがある。

仕事と家族と友人と自分の趣味、これらをうまく混ぜ合わせて過ごしていくこと、というか簡単に言えば「楽しむ」ことに長けていること。きっと日本人ほど周りを気にせず、自分が「楽しい」と思うことに貪欲であったり、「生きる」ことの価値をある程度明確に持っている彼らは自分の欲求に対して貪欲でもある反面、興味のないことに対してはかなりドライでもあるようにみえる。これがけっこう大事なことだと思う。

「生きる」ということは辛いことや悲しいことや嫌になることもたくさんあるだろうが、逆に「楽しい」ことも同じだけ、もしくはそれ以上にある。自分がなにを楽しむのか、なにがしたいのか、なにに対して責任を負い、成し遂げるべきはなんなのか。そういう目標を持ちながら進んでいけば答えは自ずと見つかるだろうし、進むべき道も見えてくるはずだ。悩んでいるのであれば臆病にならずに挑戦し、答えを出していく方がいい。

海を渡るとそういうことに気がつかせてくれるチャンスは増えるように思う。今の生活を窮屈に感じたら外の空気に触れてみてほしい。1週間でもひと月でも期間は問題じゃない。自分の欲求に貪欲に、一度きりの人生を楽しむだけなのだ。

わか