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記録されたものしか記憶にとどめられない

昔のエライ民俗学者さんが言っていました。

たしかに、毎日はどんどん流れてゆき、記憶はどんどん過去のものとなり、なにかに記しておくことでしか覚えておくことができないのかもしれません。とりわけお酒を飲んじゃうと昨日の昼に何を食べたかを思い出すことさえあやうい僕なんかは、その記録をどこに記したかを忘れちゃいそうでいつも困ります。

四年前の今日のことも、自分のつたない記憶は、少しずつ、それでいて確実に、記録されたことだけになっていってしまってるのかもしれません。

ウルさんと、水とガソリンと寝袋だけを持って下道をブッ飛ばして向かった志津川の小学校の校庭の信じられないぐらい真っ暗な夜に、ハイエースのうしろで食べたカップラーメンの光景はまだまだ鮮明に浮かぶものの、そのときのラーメンの銘柄は何だったのかは忘れてしまいました。なんかこってりしてたな。

一方で、人は忘れていくことで前に進むこともあるし、時間だけが解決してくれることもあります。だからこそ、記録されていないことを、しっかり記憶されていないがゆえに、ことあるたびにできる限り思い出そうとそれに関わる毎日を過ごしてみることが大切な気がします。

だから、僕らはいつでも東北に遊びに行くのかな。

そういう意味じゃ、カレーは、ずるい。

2015.3.11

HODAKA.