今となっては、ボクだったのかウルさんだったのか、どちらが言い出しっぺなのかは忘れてしまいました。でも、そういうことを最初に考えついたのは、山でもいかに下らないことで笑って楽しむかをいつも考えているウル先輩だったに違いない、ボクは騙されただけなんだ、とおもいたいです。
先日、真夏のようなある暑い日、ヘンな装備で縦走してきました。
僕たちは仕事柄、いつも最新のウェアやギアに触れる機会があります。最新のモデルは、どんどん軽量化され、高機能になっており、役得でそういった装備に身を包んで軽やかに山登りをすることもできます。シゴトでもお客様の前で「これが最軽量モデルです!昨年より25グラムも軽いんです!いまや時代はミニマムパッキングです!ライトウェイトなのです!」などと、慣れない横文字を駆使してセールスをしていたりします。
それはそれで素晴らしいことです。
快適な山行は保証され、安全性はより担保され、その機能はあなたに素晴らしいパフォーマンスを与えるでしょう。
でも、そんなシリアスな山じゃなくて、「最近忙しかったからさ、どこかばこーんと景色のいい山にでも行かねーか?」なんて感じで、プライベートで仲間とわいわいと登山に行くときぐらいは、その最新性や軽量性みたいなものから逃れたくなるときもあるんです。
フリーズドライばっかで登る山なんてさみしいじゃないですか。
綺麗なヤマの頂上でサケ飲みながらウマイもん食いたいじゃないですか。
だったら重くたっていじゃん。
ぜんぶ担いじゃえばいいじゃん。
もっとバカな感じでいいんじゃね?
ということで、、
この部活動では、基本的に、ふつうのインフレームザックを持って行ってはいけません。
背負子(ぎりぎりフレームザックなら可)のみで勝負します。
なぜならこれだと無限に積み荷を増やすことができるのです。
モットーは
一.背負わぬもの、食うべからず
一.背負わぬもの、飲むべからず(山小屋の生ビールは除く)
一.いいからぜんぶ背負っていけ
の三ヶ条です。
記念すべき第一回目の山行は表銀座の縦走でした。
スーパーでもらう段ボールとビニ紐は当会のマストアイテムです。
今回はビール1箱、ワイン3L、ウイスキーを2L、日本酒を1L、水を10L、
5時間かけて北アルプスの稜線まで担ぎ上げてみました。
24缶入りのビール箱を背負子の下に据えてはイケナイ、ということを学びました。
肩が壊れます。
ちなみにちゃんとぜんぶ呑んだのは言うまでもありません。
だって持って帰って来たくないもの。
夕食は稜線の特等席で、火力バツグンのツーバーナー(2.5kg)と、合羽橋で買った業務用13人前用の鋼鉄パエリアパン(1.8kg)で、、、
ムール貝と海老と新鮮野菜の地中海風パエリアを作ってみました。
当然激ウマ。
美味しい食事と合わせて飲むためには、ワイングラスやトックリ、
オチョコなどを担いでゆくのも決して忘れてはなりません。
また、周囲の登山者がみんなぽかーんと眺めていましたが、
そんな視線に恥ずかしがっているようではイケマセン。
あ、魚貝料理は、言うまでもなく、当然山向きではありません。
だってほとんどが殻でできてて帰りも担がなきゃならないからね。
稜線までの最後の急登では、あまりの重さに背負子を投げ捨ててやろうかと思い、第一回目にして解散の危機を迎えそうでしたが、辿り着いちゃってこんなヤリホの景色を眺めながらビールを飲めちゃうと、次もまたやりたくなります。
ちなみに、新人は、、担がせるぞ。
背負子倶楽部 副部長 ほだか
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